借金を返さないという理由で訴えられたらどうすればいい?


貸金業者から借金をした場合、返済は「あるとき払いの催促なし」という風には絶対にいきません。基本的に月一度はなんらかの形で返済する必要があります。しかし、元金すら入金せず、貸金業者から連絡があっても一切応じないでいると、最終的には裁判に持ち込まれるかもしれません。

貸金業者と法廷で直接対峙することになってしまうのです。


訴えられたら裁判所から特別送達で書類が送られる

貸金業者から裁判を起こされた場合、裁判所から書類が届きます。特別送達と呼ばれる特殊な郵便で送られ、受け取りを拒否するということはできません。郵便局員から直接手渡しされますが、仮に徹底的に居留守を使い、受け取らなかった場合は不在票をポストに投函されることになります。

この不在票すら無視し、裁判所からの郵便を完全に無視すれば裁判は行われないのではないか、あるいは出廷することを免れられるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、残念ながらその場合でも裁判は行われます。

したがって、わざと特別送達を受け取らないというのはある意味、無駄な努力なので速やかに受け取った方がいいでしょう。書類には、「事件番号」「裁判が行われる場所と月日」「原告の名前」「被告の名前」「なぜ訴えたのかという理由」「原告は最終的にどういう解決を望んでいるのかという要求」といったことが書かれています。

まずは、原告の名前を必ず確認しましょう。

いろいろな貸金業者から借り入れをしていて、まったく返済をしていないという場合であっても、もしかしたら、多重債務者リストをどこかから入手した悪徳業者が、ありもしない債権をでっち上げて訴えてきたかもしれないからです。

原告の名前に心当たりがあり、確かにそこから借り入れをして返済をしていないという場合、正規の訴えである可能性が非常に高いので対処方法を決める必要があります。

訴えられたあとに「取り下げてほしい」と頼むのは可能?

確かに借りたお金を返していないが、裁判は怖いので訴えを取り下げてほしいと要求することは可能なのでしょうか。まず、基本的に銀行や消費者金融はそう簡単に裁判を起こしません。というのは、裁判をするためには費用も時間もかかるからです。

電話や郵便などを使って粘り強く督促を行っていく中で、債務者が自主的に返済してくれればそれが理想だと考えています。それなのにあえて裁判をするというのは、もう債務者からの自主的な返済は無理だと考えている可能性が高いです。

つまり、債務者のことをまったく信用していないという状態なので、たとえば、債務者が「分割で返済するので訴えを取り下げてほしい」と頼んでも、聞き入れてくれる可能性はまずないでしょう。ただ、裁判をやめさせられる方法はあります。

裁判日までに債務を全額返済することです。貸金業者は最終的に貸したお金が戻ってくればそれでよく、債務者を困らせたいわけではないので、分割ではなく一度に返済するという形にすれば、それを断ることはありません。

そして、お金が振り込まれれば裁判を行う意味がなくなるので、確実に取り下げてくれます。

裁判所において分割での返済という形で和解できることも

親や親戚に全額立て替えてもらえるといった場合を除き、貸金業者から裁判を起こされるような人は、収入がほとんどなく、全額返済するなんてとても無理という場合がほとんどでしょう。こういうケースでは、開き直って裁判をしてもらうのが実はベストの方法です。

なぜかというと、最終的に分割払いで和解できる可能性があるからです。原告は、訴状では一括での返済を主張しますが、裁判において債務者が「とても一括では払えません」といえば、裁判官は和解をすすめてきます。すると、裁判が行われる前は分割での返済など受けつけないと強硬な態度を取っていた債権者であっても、すんなり応じることがよくあるのです。

和解の話し合いは別室で行われ、第三者が入るので比較的おだやかに行われます。分割払いでの返済ということで和解が成立すれば法廷に戻り、それで裁判は終わりです。いくら和解ができるといっても、裁判自体が恐ろしいという人もいるでしょう。

しかし、債務の未払いは民事での争いということになるため、警察に拘束され、留置所に入れられるということはありません。使われる法廷もテレビのサスペンスドラマに出てくるような傍聴人がたくさん並んでいる、大きなところではなく、会議室のような場所になります。

また、一般の傍聴人はほとんどゼロです。いても、法律学部の学生などでしょう。人生で一度も裁判に参加したことがないという人にとって、裁判という言葉はとても恐ろしいものに思えるかもしれませんが、実際は、関係者しかいない狭い部屋で話し合いをするだけなので、決して怖くはないのです。

また、原告は代理人の弁護士が出てくる可能性が高く、裁判は落ち着いた感じで進行します。貸金業者の社員が出てくることもありますが、鬼の形相でにらみつけてきたり、怒鳴ってくるということは一切なく、やはり淡々とした態度で臨んでくるはずなので、そういった点でも恐ろしい部分は皆無です。

裁判は怖くないので必要以上にパニックにならないこと!

訴えられたときに絶対に避けなければならないのは、恐ろしさのあまり、必要以上にパニックになることです。たとえば、少しでも返済すれば訴えを取り下げてくれるかもしれないと考え、闇金業者からお金を借りて、それを返済に充てようと考える人がいるかもしれませんが絶対にやめましょう。

もし、闇金からお金を借りて返済できなくなったら、裁判どころではありません。彼らは非合法的な手段で取り立てを行ってくるので、もっと大変なことになってしまいます。また、出廷するのが怖くて失踪してしまうというのも非常によくないことです。

失踪しても欠席裁判という形で判決は下されますし、逃げてしまうと和解できる可能性はゼロになってしまいます。

自分の裁判が行われる前に他人の裁判を傍聴してみよう

裁判がどうしても不安だということであれば、最寄りの裁判所に行って裁判を傍聴してみるといいでしょう。裁判は、裁判所から特別送達が届いてだいたい一カ月から二カ月後に行われるので十分時間はあります。一度見れば、特に怖いものではないということが理解できるはずです。

訴えられるのをいいきっかけとして、自己破産手続きをとるというのも一つの方法です。裁判所で和解できても、結局、返済できないのでは意味がありません。多重債務者なら、次から次へと裁判を起こされるという可能性があるので、そうなる前に自己破産をすれば煩わしいことからいち早く解放され、生活の立て直しを図れます。